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神戸地方裁判所 昭和51年(わ)843号 判決 1977年3月25日

本店

尼崎市長洲中通一丁目四五番地

法人名

潮商事株式会社

代表者

清算人 畑中弘

本籍

韓国黄海道鳳山郡沙里院邑景岩里三三六

住居

芦屋市三条町四六番地の五

会社役員

畑中弘

一、九二九年五月五日生

本店の所在地

大阪府豊中市庄内栄町四丁目四番三号

法人の名称

有限会社 満商事

代表者

清算人 金村こと金戌順

右の者らに対するそれぞれ法人税法違反被告事件について当裁判所は検察官雪下陽中出席のうえ審理をして次のとおり判決する。

主文

被告会社潮商事株式会社を罰金一、〇〇〇万円に、被告会社有限会社満商事を罰金七〇〇万円に、被告人畑中弘を懲役一年にそれぞれ処する。

被告人畑中弘につき、この裁判が確定した日から三年間右刑の執行を猶予する。

理由

(罪となるべき事実)

昭和五一年一〇月二二日付潮商事株式会社外一名に対する起訴状、同月二五日付有限会社満商事外一名に対する起訴状記載の各公訴事実と同一であるので、これらを引用する。

(証拠)

判示の全部の事実について

一、被告人畑中弘の当公判廷における供述

一、公判調書と一体となる証拠等関係カード(第二回公判期日において検察官請求にかかるもの)の記載中、請求番号八ないし二〇、二二ないし二五、二七、三〇、三一、三六ないし四一、四三、四四、四七、五一、六二、六三、六六ないし七一、七八、八六、八七、八九ないし九四、九九ないし一〇二、一〇五、一〇六と同じであるから、これを引用する。

判示引用の昭和五一年一〇月二二日付公訴事実について

一、前記証拠等関係カード記載中、請求番号二、三の一、三の二、四ないし七、二六、三二ないし三五、四二、四五、四六、四八ないし五〇、五二ないし五四、一一二と同じであるから、これを引用する。

判示引用の同月二五日付公訴事実について

一、前記証拠等関係カード記載中、請求番号二八、二九、五六ないし六一、六五、七二ないし七七、七九ないし八五、八八、九五ないし九八、一〇三、一〇四、一〇七、一一三と同じであるから、これを引用する。

(法令の適用)

法人税法一五九条、一六四条一項、判示引用の昭和五一年一〇月二五日付起訴状記載各公訴事実については、ほかに刑法六〇条、被告人畑中弘については各懲役刑選択、刑法四五条前段、四七条本文、四八条二項、二五条一項。

(裁判官 金山丈一)

起訴状

左記被告事件につき公訴を提起する。

昭和五一年一〇月二二日

神戸地方検察庁

検察官検事 飯田穣

神戸地方裁判所 殿

被告人

本店の所在地 尼崎市長洲中通一丁目四五番地

法人の名称 潮商事株式会社

代表者の住居 芦屋市三条町四六番地の五

代表者の氏名 畑中弘

本籍 韓国黄海道鳳山郡沙里院邑景岩里三三六

住居 芦屋市三条町四六番地の五

職業 会社役員

在宅 畑中弘

一九二九年五月五日生

公訴事実

被告会社潮商事株式会社は、昭和三七年九月八日設立し尼崎市長洲中通一丁目四五番地に本店を置いて金融業を営み、同五一年四月七日解散し現在清算中のもの(清算人畑中弘)、被告人畑中弘は同会社の代表取締役として右解散に到るまでの間、その業務全般を統轄していたものであるが、被告人畑中弘は、被告会社の業務に関し、法人税を免れようと企て、

第一 昭和四七年九月一日から同四八年八月三一日までの事業年度における実際の所得金額は四、二九三万九、六〇六円、これに対する法人税額は一、五五〇万五、四〇〇円であるのにかかわらず、公表経理上利息収入のほとんどを除外し、よつて得た資金を簿外の貸付金として運用し、あるいは簿外の架空名義の定期預金とするなどの不正の方法により所得の全額を秘匿したうえ、同四八年一〇月三一日、尼崎市西難波町一丁目八番一号所在の尼崎税務署において、同署長に対し、所得金額は欠損の八六万九、七九七円、これに対する法人税額は無い旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、もつて不正の行為により同事業年度の法人税一、五五〇万五、四〇〇円を免れ

第二 同四八年九月一日から同四九年八月三一日までの事業年度における実際の所得金額は一億二一二万三、五四〇円、これに対する法人税額は四、〇一一万八、四〇〇円であるのにかかわらず、前同様の手段方法を講じて所得の一部を秘匿したうえ、同四九年一〇月三一日同税務署において、同署長に対し、所得金額が六〇七万七、三六五円、これに対する法人税額が一七〇万円である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、もつて不正の行為により同事業年度の法人税三、八四一万八、四〇〇円を免れ

たものである。

罪名及び罰条

法人税法違反 同法一五九条、一六四条一項

起訴状

左記被告事件につき公訴を提起する。

昭和五一年一〇月二五日

神戸地方検察庁

検察官検事 飯田穣

神戸地方裁判所 殿

被告人

本店の所在地 大阪府豊中市庄内栄町四丁目四番三号

法人の名称 有限会社満商事

代表者の住居 芦屋市三条町四六番地の五

代表者の氏名 清算人 金村こと金戌順

本籍 韓国黄海道鳳山郡沙里院邑景岩里三三六

住居 芦屋市三条町四六番地の五

職業 会社役員

在宅 畑中弘

一九二九年五月五日生

公訴事実

被告会社有限会社満商事は、昭和四六年一月一四日設立し大阪府豊中市庄内栄町四丁目四番三号に本店を置いて金融業を営み、同四九年一二月二五日解散し現在清算中のもの、被告人畑中弘は、同会社の実質的経営者であり、同会社設立以来、名目上は河原こと河成烈を代表取締役としているものの自己が同会社の業務を統轄し、同会社が解散後は、自己の妻金村こと金戌順を清算人として登記しているものの、それは形式的名目的なものにすぎず、自己が事実上の清算人となり同会社の清算業務を行なつているものであるところ、被告人畑中弘は、被告会社の業務に関し、法人税を免れようと企て、右河成烈と共謀のうえ

第一 昭和四八年一月一日から同年一二月三一日までの事業年度における実際の所得金額は四、二一三万五八二円、これに対する法人税額は一、五二二万二〇〇円であるのにかかわらず、二重帳簿を作成し、公表経理上貸付金の利息収入のほとんどを除外し、よつて得た資金を簿外の貸付金として運用しあるいは簿外の架空名義の定期預金とするなどの不正の方法により所得の全額を秘匿したうえ、同四九年二月二七日、大阪府池田市城南二丁目一番八号所在の豊能税務署において、同署長に対し、所得金額は欠損の一四〇万五、七八四円、これに対する法人税額は無い旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、もつて不正の行為により同事業年度の法人税一、五二二万二〇〇円を免れ

第二 同四九年一月一日から解散に至る同年一二月二五日までの事業年度における実際の所得金額は四、四七六万二、六七三円、これに対する法人税額は一、七一八万四、八〇〇円であるのにかかわらず、前同様の不正手段を講じて所得の全額を秘匿したうえ、法人税確定申告書の提出期限である同五〇年二月二五日までに同申告書を同署長に対して提出せず、もつて不正の行為により同事業年度の法人税一、七一八万四、八〇〇円を免れ

たものである。

罪名及び罰条

法人税法違反 同法一五九条、一六四条一項、刑法六〇条

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